技術コラム【吐出の羅針学】ディスペンサーの種類
ディスペンサーとは液体を吐出する装置で、広義ではシャンプーのボトルなどに付いているのもディスペンサーの一つです。工業用では、さまざまな液体を充填したり塗布したりするのに使われており、用途や使用目的によってさまざまな種類があります。今回は、ディスペンサーの種類について、方式ごとの原理や構造の違い、それぞれの特徴などをご紹介します。
ディスペンサーは、その原理と構造によって「エア式」「バルブ式」「スクリュー式」「容積式」の4つに大別することができ、「容積式」はさらに「往復動型」と「回転型」に分類することができます。
⚫︎エア式ディスペンサー
シリンジやバレルに液体を入れ、エア加圧で液体を押し出すディスペンサーです。吐出量の調整は、供給するエアの圧力と加圧時間で行います。
⚫︎バルブ式ディスペンサー
加圧タンクに液体を入れ、エアで加圧することによって液体を供給し、バルブで吐出をコントロールするディスペンサーです。吐出量の調整は、加圧タンクの圧力とバルブを開ける時間で行います。加圧タンクの代わりに、ポンプを使う場合もあります。
⚫︎スクリュー式ディスペンサー
エア加圧でスクリューに液体を供給し、モーターでスクリューを回転させることで液体を押し出すディスペンサーです。吐出量の調整は、スクリューの回転量で行います。
⚫︎容積式ディスペンサー
1.往復動型
1-1. プランジャー方式
プランジャーをモーターで機械的に往復運動させ、液体を吸い込み、押し出すディスペンサーです。吐出量の調整は、プランジャーの移動量で行います。(イラストはプランジャーポンプの模式図です)
1-2. ダイヤフラム方式
ダイヤフラムを機械的に押したり引いたりすることで容積を変化させ、液体を吐出するディスペンサーです。吐出量の調整は、ダイヤフラムの移動量で行います。(イラストはダイヤフラムポンプの模式図です)
2.回転型
2-1. チューブ方式
弾性のあるチューブを絞るようにローターを移動させて液体を押し出すディスペンサーです。押し出されたチューブの復元力で液体を吸い込みます。吐出量の調整は、ローターの回転量で行います。(イラストはチューブポンプの模式図です)
2-2. ギヤ方式
2枚の歯車をかみ合わせて、歯車が開くときに液体を吸い込み、回転と共に吐出側に移送し、歯車が閉じるときに液体を押し出すディスペンサーです。吐出量の調整は、歯車の回転量で行います。(イラストはギヤポンプの模式図です)
2-3. 一軸偏心ねじ方式
雄ねじであるローターが雌ねじであるステーターの中で回転することで、その隙間に発生した密閉空間(キャビティー)に液体を吸い込み、閉じ込め、吐き出すディスペンサーです。吐出量の調整は、ローターの回転量で行います。
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